2011年7月10日日曜日

ザッポスの奇跡

伝説のサービスと言われるような企業には、
その徹底したサービス精神と、よりシビアな経営もしくは仕事への
感覚が必要だと思う。
お客様への感動的なサービスという抽象的な優しさのイメージとは
裏腹な「甘え」を許さない厳しい現実があることは肝に銘じなければ
ならないだろう。
優しさはふわふわとあるものではなく、地に足の着いた厳しさに中に

あるのかもしれない。
そのなかで仕事をするひとりひとりが質の高い仕事をする。
質の高い仕事は、やりがいのある楽しいものだが、その分の厳しさや

苦しみがともなうものだという理解のもとに、しっかりと地に足の
着いた仕事をしているということが大事なのかもしれない。

ザッポスというインターネットで靴を販売する会社が
どんな感動的なサービスで、企業の価値を上げてきたのか。
とても興味深く、その伝説になるサービスにうっとりしてしまうの

だが、その基本になるものは、全くシンプルなものなのだ。
自分たちの会社は「サービスこそが売り物だ」ということを基本に
して徹底的にそのサービスを磨き上げることをする。
この視点に立てたとき、本当のサービス業と言えるのだろうと思う。

サービスを考えるとき、必ず現実の利益という課題にぶちあたるの

だけれど、今現実の利益がなければ品質すら語れない、という
ところから脱却しなければ、おそらく感動のサービスなんて、絵に
描いた餅以外のなにものでもない。
ただ、その判断は、現場で働く一兵卒の私たちにはどうにもできない
ことだ。
その方向性の声は、トップにあげてもらわなければならないところ

だろう。
わたしたちが、その場所へ向かっていいものかどうかも、組織の判断

が明確でないと、不安がつきまとい、きっと中途半端になってしまう。
志が危ういものとなり、路頭に迷うだろう。
だからこそ、企業の信念、つまり企業の文化が必要なのだと思う。
企業の文化が明確になり、それが強く打ち出されたとき、それに

応える社員の個性が活きることになるのだ。

20代から30代にかけて、わたしはこの想いを軸に仕事をしてきた。
その頃の熱い気持ちが、ザッポスという企業の熱さを受けて蘇って

きた。
今、私はサービス業としてどうだ?と自分自身に問いかける。
満足しているか?

もちろん、私は組織のなかの一人に過ぎず、できることなど些細な
ことだ。
それでも、なにかできることはないだろうか。
ほんの小さなことが何かを変えていくきっかけになると信じて。



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